構造の用語
耐震:タイシン
建物の供用期間中に数回起こる可能性のある中規模地震にたいしては大きな損傷はしない。また、建物の供用期間中に一度起こるかどうかの大地震に対しては倒壊しないことを目標とした構造。
制震:セイシン
建物に設置した制度部材(粘弾性体)が、地震のエネルギーを吸収するようにした構造のこと。吸収した分だけ建物の揺れを低減できる。
免震:メンシン
建物の足下を地面から切り離し、その間に免震装置を組み込んで、地震の揺れを大幅に低減し、建物内の人や家具、設備を安全に保つが、装置に費用がかかる。
耐力壁:タイリョクヘキ
建築物に壁や地震による外力がかかった場合、その水平力を保つために構造を支持する壁のこと。室内を区切るだけの間仕切り壁と区別して、筋かいの入った壁を耐力壁と言う。耐震・耐風性能を高めるためには、耐力壁をバランスよく配置することが大切。
壁倍率:カベバイリツ
壁の強度のこと。筋かいを取り付けることによってその壁が通常の壁の何倍の強さを持つかを示す数字のこと。
筋かい:スジカイ
地震や台風など、水平方向に建物にかかる力に対し、変形を抑える働きをする対角線方向に入れる部材。
構造用合板:コウゾウヨウゴウハン
合板の中でも、構造躯体に使えるようにさらに強度を高めたもの。構造用合板を使って耐力壁や耐力床をつくることで、耐震性、耐風性を飛躍的に高められる。
パーティクルボード
木材を小さな木片に砕き、乾燥、接着剤を加え高温高圧成形した板のこと。省資源にも効果的。
集成材:シュウセイザイ
挽き板を繊維方向に平行にして重ね、強力に張り合わせて1つにした建材。天然木には、大節・割れなどの欠点があるが、集成材はそれらを除き、積層することで品質を均一化し、強度性能を高めている。
含水率:ガンスイリツ
木材に含まれる水分の割合。縮み、曲がり、反りなどの発生防止には木材を十分乾燥させることが重要。含水率10〜13%の時に木材の強度がもっとも高く、20%以上になると木材の強度が落ち、木材腐朽菌やシロアリが発生しやすくなるといわれる。
プレカット加工
柱や梁の継ぎ手、仕口を従来は大工が手工具で加工していたものを機械で行う技術のこと。コンピューター制御の全自動加工機によって精度の高い柱や梁を生産することが可能。
床組:ユカグミ
床を構成する部材の総称。「根太」「大引」など。
根太:ネダ
床の構造の一部で、床板を受ける横材。
土台:ドダイ
建築物全体の荷重を支え、荷重を基礎から地盤面へ伝える役目の構造材。構造躯体と基礎の間に設けられる。地盤にもっとも近い木材なので、防腐・防蟻処理を施す。
大引:オオビキ
根太と土台の間に水平にわたされる構造材で、根太を支える。
床束:ユカツカ
床の構造の一部で、大引から垂直に地面に下ろし、束石の上に立てられる。以前は木材だったが、乾燥・収縮による床鳴りを防ぐため、高さが調整できる既成の鋼製束が多く使われる。
通し柱:トオシバシラ
土台から軒まで通ったつなぎ目のない1本の柱のこと。建物の四隅にある隅柱は原則として通し柱にしなければならない。
管柱:クダバシラ
通し柱とは逆に、各階ごとに設置される柱のこと。
間柱:マバシラ
壁仕上げ用の構造材で、柱と柱の間に立てる小さな柱。
火打ち材:ヒウチザイ
床や天井裏で、水平に直行する部材の接合部・交差部がしっかりと固定されるように、45度に取り付けられる補強材のこと。土台の交わるところに入れる物を「火打ち台」、胴差しや梁まわりに取り付ける物を「火打ち梁」と言う。
胴差し:ドウザシ
1階と2階の間にあり、通し柱と通し柱をつなぐ2階の床の土台ともいえる。
軒桁:ノキゲタ
最上階の小屋組を受ける外部廻りの横架材で小屋梁・垂木を受けて屋根荷重を柱に伝える。
小屋組:コヤグミ
屋根を支えるための骨組み。小屋梁・母屋・小屋束・垂木・棟木などで構成される。
小屋梁:コヤハリ
小屋組の一番下にある部材で、屋根と天井の重さを支える。
母屋:モヤ
木と平行に取り付け、垂木を支える横木。
垂木:タルキ
屋根勾配に沿って、棟木から母屋・軒桁に向けてわたした、屋根板を支える角材。
棟木:ムナギ
棟(小屋の頂部)の桁行方向に取り付ける横木。両側からの垂木を受ける。棟木を取り付けることを「棟上げ」という。
小屋束:コヤヅカ
棟木や母屋の下に立ち、屋根荷重を小屋梁に伝える。
軒天井:ノキテンジョウ
屋根の軒先(外壁から先の部分)や玄関ポーチなどの天井。
胴縁:ドウブチ
壁の板張りやボード張りや外壁などを受けるために、柱または間柱に取り付ける下地部材。
野縁:ノブチ
天井仕上材を取り付けるための下地材。
鼻隠し:ハナカクシ
軒先に出る垂木の木口を隠す横板。
破風:ハフ
屋根の妻側の垂木を隠して、風雨から屋根を保護するために付ける板。
妻:ツマ
建物の長手方向の端。棟木と直角をなす短い面のこと。