和紙は壁紙としてそのまま使えるか?
そのままで壁紙で使えるものと、薄くて使えないものもあります。後者の場合は、礬水引き処理をした後であれば、壁紙として使えます。
和紙の原料は、楮、三椏、雁皮などで、ご存知のように奈良時代より、日本でつくられています。現在では手漉きと機械漉きがあり、特性は大きな差があります。手漉きは、縦横に繊維が絡み合っているので丈夫で、艶やかな光沢があります。一方、機械漉きは、分速数百mで製造されているものが大半なので、縦目と横目が生じ、絡みが弱く、光沢も手漉きのものよりも少ないです。しかし、何といっても値段が安いのが魅力です。どちらも壁紙として使えます。
礬水引きとは、膠と明礬の水溶液を塗って、糊が効くようにしたり、紙の伸縮を防いで、強度をだす処理のことです。色の濃い紙のときに、この処理をすると色が変わることがあるので、気をつけたいところです。
最近では、壁紙に和紙を使用する人も増えてはいますが、和紙を扱ったことがない職人が大半で、戸惑う人も多いようです。場合によっては、自分で施行に挑戦してみてもいいと思います。障子を自分で貼り替えられるように、素人でも貼れる材料です。シーラーなどで下地処理を平滑に仕上げ、下地が透けていないかを確認すれば、直貼りをしてもいいです。必ずしも袋貼をする必要もありません。