将来を見据えた収納設計
収納の常識を崩す でもご紹介しましたが、「人生プラン」を含めた設計を行うことが大切です。そのポイントは、収納を100%完成させないことです。例えば、子供が生まれてからは、物が爆発的に増えていきます(小学生から20歳までが、一生で最も物が増える時期と言われています)。一度に収納を完成させてしまうと、この時間の経過に対応できません。どんなに収納量を確保しても、普通は数年でいっぱいになってしまいます。
例えば、キャビネットを天井一杯にしないで、目の高さで止めて、上の空間にキャビネットを追加できる余地を残しておきます。物が増えると共に、キャビネットを追加して、収納量を増やしていきます。ただしこれは、どのキャビネットでも可能なわけではありません。そのため追加できるようなキャビネットを選ぶ必要があります。
このように、収納をプランすることは、自分の「暮らし方」そのものを設計することです。そのためには設計の知識というよりも、自分の価値観や、家族のあり方を深く理解することが大切になってきます。収納をただのキャビネットと考えると、ただの箱です。しかし、機能的で実用的な収納を求めるのであれば、デザインを考える前に暮らし方を考えることが重要になるのです。